2022年05月21日放送
滋賀県の南東部、甲賀市甲南。
高齢者向けのデイサービスやグループホーム、そして保育園が集まる「甲賀いこい村」の中に、ベーカリー工房「COCCALA BAKE&CAFE」があります。
店内には焼きあがった美味しそうなパンが並びます。地元の人に親しまれるおしゃれなパン屋さんですが、こちらで働くのは障がいのある方々。
COCCALA BAKE&CAFEは障がい者就労継続支援B型の施設として、企業等と雇用契約を結んで働くことが困難な方々に就労訓練を行っているのです。
運営するのはミライキックス株式会社。
代表は田畑義和さん、もともとは別の経営者が代表を勤めていましたが、障がい者の方の就労支援とベーカリーの事業を両立させていくのが困難になり、経営が破綻。地元で工務店などを手がける田畑代表が会社を引き継いだのです。
障がい者の方の就労支援を止めるわけにはいかないという思いが田畑代表を突き動かしました。
まず、COCCALA BAKE&CAFEの運営を根本から見直しました。
味はもちろん、毎日30種類以上のパンが提供できる楽しい店づくりを目指しました。
また、短かった営業時間を見直し、モーニングの提供を始め、カフェとして集客できる体制を整えたのです。
「しっかり働いて、利益を生み出す…それが障がい者の方々にとっても、真の就労支援になる」と田畑代表は言います。
COCCALA BAKE&CAFEのパンは地元を中心に評判を生み、新たな販路も広がっているとか。
また創業 明治44年、地元甲賀市の田中酒造とコラボし、酒粕を使用した「パン de 酒粕」を発売。
新たなメニュー開発にも力を入れます。
購入する人も、働く人も、みんなが幸せになれる、そんな優しいパン屋さん、ぜひ番組で味わってみてください。
今回は注目のワード「リジェネラティブ(リジェネレーション)」。
“持続可能”を意味する「サステナブル」という言葉が日常的に使われるようになってきました。
しかし、世界では既にこのサステナビリティからのアップデートが始まっています。
「リジェネラティブ(リジェネレーション)」はその「サステナブル」を進化させた概念として、いま海外で注目を集めているのです。
「再生的」「繰り返し生み出す」といった意味を持つ言葉で、未来に向けて地球環境をこのまま持続させるだけでなく、すべての生物にとって良い状態になるよう、積極的に再生させていく考え方なのです。
番組では「サステナブル」との違いを詳しく紹介。荻窪輝明が解説します!