2022年04月02日放送
今回は野洲川のすぐそばに本社と工場をかまえる伸和株式会社。
主力は合繊ニットの染色に起毛加工、布製面ファスナーの製造です。設立は1963年、野洲の地で60年近く、染色加工技術を磨き続けてきました。
染色は生地を顧客が希望する色に染める作業、起毛とはブラシや熊手の先のような針が付いた機械で、ニットや布地の毛をかき出す加工のことです。
かつては染色だけ、起毛だけという分業制が主流でしたが、伸和株式会社は早い段階で染色、起毛を一貫して製造できる体制を構築。
海外生産に移行するメーカーが増え、縮小傾向の業界の中、多品種少量生産に対応し、多くの取引先の信頼を勝ち得てきました。
特に起毛技術を得意としオンリーワン技術を有します。
創業以来の黒字を続けます。
そんな染色加工技術を磨き続けてきた伸和ですが、新たな試みも行っています。
作業の工程で、どうしても端材と呼ばれる生地の切れ端が発生します。
今までは廃棄していましたが、SDGs宣言も行った伸和は端材の有効活用を模索していました。
そこで誕生したのが端材を活用したアップサイクルアートです。
端材を「ひも子」と名づけ守山市駅前総合案内所や野洲駅前のすまいる市で販売。
鮮やかな色彩、安価も手伝い、主に手芸用の紐として、すぐさま完売したそうです。
今井貢社長によると「当初、売れるとは思っていなかった、利益があるわけではないが、地域との繋がりが生まれてきている、この試みが新たなアイディアや繋がりを生みだしていくのでは」とのこと。
遠方からの問い合わせも増えているとか、本業のステップアップを見据え、新たなチャレンジを続ける伸和株式会社に注目ください!
今回は「アップサイクル(upcycle)」。
本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることです。
ゴミ問題は深刻です。3R(リデュース、リユース、リサイクル)が世界的な潮流になってきているなど、ゴミ問題に対する意識は高まってきていると言えますが、さらなる取り組みが必須です、その中で新たに生まれたのアップサイクルなのです。
不要になったものを新しく生まれ変わらせるという意味で似ているリサイクルとの違いも解説します。